キャビンクッションのリニューアル

 年式を重ねた艇をリニューアルするのは、レストレーション(復元)と言うべきでしょうか。

そのような艇の場合は、ヨットとしての機能や安全性の確保が必要な作業リストの上位を占め
るべきでしょう。それに続いて内外の美観や居住性の向上といった項目が続きます。
比較的年式の新しい艇でも、艇の内外に手を入れることで新しい艇になったような効果をあげ
ることが出来ます。この場合はリフォームと言った方が判りやすいかもしません。

 下の写真は、最近実施したX−412のキャビンクッションカバーの張替えです。
この艇は2000年進水の11シーズンを経た艇ですが、内外共に素晴らしい維持管理状態で進
水時の美観を保った上で、多くの装備や機能を追加改善が成されています。この艇のメインサロ
ンのクッションカバーを全て新しくしました。オリジナルは左の写真のように濃紺の起毛された
生地です。今回はこれをエクセーヌという人造セーム革の風合いを持つ生地にしました。
色目もチークになじみ、明るいキャビンとなるようにカラシ色が選ばれました。
 
 今回のように、中のフォーム材がしっかりしている場合はカバーの交換で済み、約10日位で
作業は完了しますが、フォーム材の腰がへたったり変形しているような際は全てを新調する事と
なり、時間も費用もかかります。

お気に入りの愛艇をより長く新鮮な気持ちで楽しむためには、このようなリフォームをすると良
い事を、学ばさせて頂きました。

起毛系の生地の場合、光線の
種類や当り具合で色目が変わり
ます。

オリジナルのクッション自体にデザ
イン的な畝があり、これを復元して
います。
すっかり表情が変わったメインサロ
ンを比較下さい。

X−412のクッション張替え

オリジナル

張替え後

ハイローリーファーのインブームメインセールファーリング採用で、この細いカバー
されたブームにフルバテンメインが隠れているとは!
チークデッキも美しく維持されています。整理と掃除や艇の洗浄がお好きなオーナー
を得て、ハッピーなX−412です。